2011/01/18

年末のカオス


25日朝、家の屋上より、Tarija市とSamaの山を望む。

イブの夜、プレゼントをあける!
クリスマスの伝統料理Picana




クリスマスの日のバーベキュー

待ちきれない!
 楽しいクリスマスが終わって、仕事納めをして、そろそろ旅行の準備を・・・という2010年年末26日、政府が突然ガソリンへの助成金打ち切りを発表。
それからのカオス・・・

ガソリンの価格がほぼ倍(種類によって50~80%)に跳ね上がり、交通機関そして商品の値段もそれにともなって高騰。政府が運賃の値上げを23%しか認めず、公共交通機関のストが発生。各地でデモや道路封鎖が行われ、私たちには旅行中止、自宅待機命令がでるほどに。そして2週間分の水・食糧の備蓄をすること、何かあった時に脱出できるように現金を引き出しておくこと・・・との伝達が。

中央から離れたタリハはchapacoのあまり怒らない鷹揚な性格?で、ミクロ(小型バス)が隊列を組んで時々クラクションを鳴らしつつも穏やかに連なって町中を練り走ったり、プラザから爆竹音が少し聞こえるくらい。テレビでみる首都ラパスやエルアルトのような、デモ隊と警官隊の衝突や商品の値上げをした店に投石をしたり、デモに参加しない運転手を殴ったり・・・ということはなく、至って静か。
 
朝オルガから「ガソリンが値上がりするわ。」と聞いたときは、まだ「?」、職場で「長距離バスがストに入るよ。」「ミクロが2.5ボり(それまで1.5ボリ)になってる。」と聞いたときは、「ウユニ塩湖への旅行はどうなるの?」「ポトシまでいけるかな?」。そしてウユニの玄関ポトシ行きの切符をみつめて、騒動がひどくならないことを願うこと2日。旅行中止命令にがっかりしたのでした。
 
けれど本当のことをいえば、私の旅行どころではない話。お金持ちはともかく、かつかつで日々の生活を送っている人々にこの突然の値上げは大打撃。先住民の支持を集めて当選したはずのモラレス大統領がなぜこんなことを?と疑問におもわなければならないところ。ボリビアのガソリン代は近隣諸国に比べて極端に安い。それは政府が原油を外国に売り、買い取ったガソリンに助成金をつけて安く市場に出回るようにしているから。けれど、これにつけこんで大勢の密輸業者がボリビアで安くガソリンを買い、アルゼンチンやブラジルで高く売るという事態が発生。これではなんのために助成金を出しているのかわからない!というわけで、打ち切りを決定したもの。ボリビア公営の石油会社の保護も目的としているらしいけれど、ボリビア国庫に助成金に割くだけお金がなくなっているという見方もあります。学校に通う子供達に教科書を買うようにと、Bono Juancito Pinto200ボリ(親がつかいこまないように、子供に直接!)が配られたのはついこの間。このばらまきにも大いに首をかしげたものだけれど・・・。お金を配るより、教科書を配布するほうがずっといいはず。けれども教科書を決めるのは今のボリビアでは各先生しだい。制度が整っていないのでした。いずれにせよ、このばらまきでもかなりのお金を使ったはず。

オルガと
12月31日大晦日の夜、公務員の給料UPなどで対処しようとしていた政府は、騒動の収拾がつかないとして大統領令にて助成金打ち切りを撤廃。何も解決にはなっていないけれど、騒ぎは一応収まったのでした・・・ ガソリンは段階的にあげていくとのこと。だったら最初からそうすればいいのに??
 
大統領の支持率低下は否めず、これからどうなるのか先行きは不透明。ボリビアの脆弱な政治体制を目の当たりにして、理想を追うことのむずかしさを実感しました。それでも、苦手な経済記事を読んで状況を把握しようとしたのは、やっぱりボリビアが好きになったからだなあと思ったのでした。


年末のペーニャにて。Los de Samaの歌と演奏。