2010/10/23

総会前日、そして再会!

 10月12日、眠い目をこすりつつ荷造りし、ミクロに乗って空港へ。10月の一大イベント、隊員総会のため再びサンタクルスに出発です。

  前日はリサイクル業者のリカルドを訪ね、3年前に始めたばかりという工場を見せてもらいました。メルカドの近くにある店に届けられるプラスチックや紙はここに運ばれ、洗われ、圧縮する機械にかけられてサンタクルスやコチャバンバに送られますが、一部のプラスチックはここでリサイクルされています。洗われてきれいになったプラスチック製品を細かく砕き、溶かして型にはめて新しいボトルをつくっています。主に病院で使われる消毒液をいれる容器として使われているようです。生徒を連れてきてもいいかと聞くと、全然かまわないよという返答。 そんな機会が早く作れたらいいな。使っている機械はブラジル製。高価でなかなか手がでないけど、少しずつ増やして全ての製品をリサイクルできるようにしたいというリカルド。従業員も最近増やして11人になったとのこと。遠方へ送る手間が省ければより効率的にリサイクルができるはず。頑張ってほしい!

こんな機械にいれて

こんな型にいれて

こんなボトルができます!
 
 その足でタリハから車で15分ほどの小さな村Victoriaの学校へ出かけました。U.E Simón Bolívarの高等部で毎週月曜日の昼礼の後10分間掃除を始めることにしています。集まったゴミはできるだけ分別をしようとのことで、Karpil(フルーツ味のカルピスのようなもので、これが一番多い)の袋やペットボトルを始めとしたプラスチック、アルミ缶、ビン、紙、その他に分けてみることにしました。ある程度の量になったら、リサイクル業者が取りに行くと言ってくれています。たった10分の掃除でも、各自が持ってきたゴミを集めると大きな袋4杯分になりました。これを分別するのが大変。汚れているものも多くてほんとにリサイクルできるのか不安です。とはいえ、せっかく高等部4クラスで授業を使わせてもらってゴミの弊害と分別・リサイクルの話をしたところです。できることから始めようと!とスローガンを掲げたばかり。この試みが定着することを願っています。一週間留守にするので、ちょっと心配。協力してくれてる先生に後を託して、学校を後に。

   そして夜はもうひとつの学校“Jose Manuel Belgrano” の高等部で掃除時間導入に向けて親向けのワークショップを行いました。小学校での先生向け、親向け、子供たちむけのワークショップが終わって、いよいよ高等部で始めようというところ。その前の金曜日に行った高等部の先生向けのワークショップは先生達からEMATへの非難が相次いだりとあまり前向きなものでなく、どうなるかとはらはらしました。EMATのジョニーの辛抱づよい対応と、何か特別なことをしたわけではないものの私の外国人特権(笑顔とあやしいスペイン語と物珍しさ?)でなんとか最後には拍手をもらうことができました。でも先生の参加率は悪くて、高等部では困難が多そうです。

一生懸命聞いてくれた子供達ーBerglanoにて
 そして迎えた親向けワークショップ。こちらも最終的に賛同は得られましたが、「やりましょう」と快く了承してくれた小学校の保護者達とは反応が異なります。やりたい!と訪ねてきた小学校の校長と違って高等部の校長は、さほどやる気があるわけでもなく、また先生や保護者にあまり人望もないよう。校内あげての取り組みである以上、継続性からいってもイニシアティブをとる先生の存在は欠かせません。もう少し校長や先生達としっかり話をしてから始めないといけなかったな、急ぎ過ぎたなあと大反省。あまり間延びしてもとサンタ行きの前にやり終えようと無理をしたところもあったはず。
空港への道のりはそんなこんなを反芻しながらで、ちょっと後ろ髪ひかれるような気持ちになりました。

 そんな気分も空港でお土産屋さんを冷やかす頃にはすっかり旅モード。日本週間で何人かには会ったものの、同期と再会するのは3カ月ぶり。会えるのはほんとに楽しみです。同じタリハのちーちゃんとはしゃいでるうちに、経由地コチャバンバに到着しました。飛行機から降りて空港に入った途端、同期でスクレ(ボリビアの憲法上の首都)に住むけいちゃんが駆け寄ってきました。ドアから出てきたらすぐわかったそう。
抱き合って、再会を喜びました。

 着いてまずホテルで一休み。他の同期はまだ到着していません。この日は3人でタリハの知り合いがいた孤児院を訪ねることにしました。宮崎県のカトリック教会が援助する孤児院はこじんまりとした静かな建物。語学研修していたころ先生のテレサが高級コンドミニアムのすぐ後ろに貧しい人が行くメルカドがあると案内してくれた時、この辺りは孤児院がたくさんあると教えてくれた地域にありました。小さな日本人のシスターが建物を案内してる間にも、孤児院の子供たちが珍しそうに付いてきて、腕にぶら下がってきたりします。建物は最近、生活空間と学習空間に分けることができたそうで、寝室には小さなベットが並んでいました、その上にそれぞれのお気に入りなのだろうぬいくるみがおかれていて、少し切なくなりました。全て寄付で成り立っているとのことで、金銭面ではかなり厳しいとのこと。壁の絵や洗濯物干場一つにしても、シスター達やボリビア人スタッフの手作りで、少しずつよくしているそうです。


 この日はちょうど、ここの子供の1人の里親であるオランダ人親子が訪れていて、養子にした子供の写真を見せてくれました。国籍の違う子供を3人育てているとか。彼女たちの友人なのか、新しく引き取る予定の赤ちゃんを見に来ている人もいました。北米やヨーロッパによく見られるこの国も人種も異なる子供を養子するという行為にはいつも驚かされます。カナダ人の友人も子供は産みたくないけど、育てたいからadoptしたいと言っています。アジアの子供がいいなんて話を聞くたびに不思議な気持ちになったものです。子供をその文化圏から切り離すことは負担にもなり、またハイチ地震の折にも取り上げられたように人身売買の問題にもなるけれど、顔立ちの違う3人の子供が満面の笑みを浮かべてブランコで遊ぶ様子は心温まるものでした。人をありのまま受け入れるという行為に人種も民族も関係ないのでしょう。子供にとって愛された経験を持つことはやっぱり大事だと思います。全てがうまくいくとは限らないけれど、一つのチャンス。シスター達もきっとそんな気持ちで赤ちゃんを送り出しているのだろうと思いました。新しく引き取られる赤ちゃんが幸せでありますように。

 夜、サンタクルスに住む同期を交えて4人、日本料理屋さん「けんちゃん」で日本を出発して以来のラーメンをすすりながら、いろんな話をしました。


おいしかった!