2011/02/21

新学期!活動開始?

 土曜の朝。夜半から降り続ける雨がやむ気配はない。
カーテンをあけてベッドの上でストレッチ、そしてしばしメディテーション。
そのまま、またうとうとしているといつの間にか1時間。
雨の日によくあるけれど、気持ちが沈んでいく感じがする。
これではいけない!あわてて起き上がる。
特に予定のない日。何をしようか。
料理だ!

 昔教えてもらったシェパードパイ(羊飼いのパイ)なるものと、アメリカ人カップルに教えてもらったばかりのゴマと茄子のパテに挑戦することにする。
小雨になったすきをぬって買い物へ。細かく丁寧に、が苦手だから雑なれど、作っていると無心になれて楽しい。せっかく作るのだからと、同期のちーちゃんを招待。
玉ねぎ、ニンニク、ニンジンを炒め、ミンチを加えて塩、こしょう、オレガノ、ローズマリーの鉢植えから葉っぱを切って味付け(しょうゆいれるといいのを忘れた・・・)。その傍らふかしたジャガイモにバターと牛乳を混ぜてマッシュドポテトを用意する。パットに炒めたものを敷き、その上にマッシュドポテトを乗せて、オーブンに入れた。30分、焼き上がりを待つ。

全員で記念撮影
 2月に入り、学校が始まった。新学年、新学期。12月から進めてきた小さなプロジェクトを軌道にのせるべく出かける。前年度から研修や打ち合わせをしてきたU.E Carmen Meallaでは、どこに分別したゴミを保管するか学校内を見回ったり、次回する予定の先生向け研修用に作った資料に校長先生から質問があったり、具体的な話をしはじめた。何回か来るうちに、子供たちが名前を呼んでくるようになっている。U.E Aniceto Arceは2回めの先生向け研修を終了。ここは何度か道徳の時間?に日本のことや“聴く”ことの大切さを漢字と絡めて話しに来たりしたから、ちょっと気楽に来られる学校。女性の先生達がやる気で私の提案を取り入れつつ、現状ではこれは難しいけど、これはできるからやりたいなど、建設的な意見をいってくれる。男の先生た達はちょっとへっぴり腰。

 U.E San Roqueでは先生向けに初めてのプレゼンをしに出かけた。この学校は近くのGuadarquivir川周辺の掃除をしている時たまたま出会った。校長先生が環境問題に関心がある。生徒は12歳から18歳。中高等学校だ。まだなじみがないから学校に入る時は緊張する。それでもこのプレゼンは何度かやっているうちに先生達の反応がだいたいわかってくるようになった。あまり話を大きくすると、話し合いがなかなか具体的にならない。日本の紹介もするけれど、何よりここタリハでできることを説明する。私から提案はするけれど、実際どうやるのかは各学校しだい。だからできるだけ口ははさまず、先生達同志で話あってもらうようにする。でも気候変動や地域のゴミ清掃機関EMATの批判にまで話が及ぶと、ちょっと軌道修正。知識は大事だけれど、この時間は学校ができることを話し合ってほしい・・・。校長先生がやる気だから、先生達も表立って反対はしないが、思惑は様々。仕事が増えるのだから。それでもこの日、校長先生のイニシアティブでやってみようという結論に。具体的にどうするかはこれから。とりあえず、最初の壁はクリア。

 オーブンにいれて30分。料理に変化がない。おかしい!オーブンの温度が全然上がっていなかった。あわてて強にする。もう、12時半!

 カーニバルを控えたタリハ、予想していたとはいえ、プロジェクトの進み具合はゆっくりだ。校長先生との会合や研修を重ねるけれど、具体的に始まった学校はまだない。子供と触れ合う機会もなく、オフィスでのデスクワークが多い毎日。ちょっとストレスがたまる。それでも思わぬ嬉しいこともある。

 U.E San Roqueのプレゼンの後、生物の先生が近づいて話しかけてきた。環境教育にすごく興味があったけど、どう始めていいかわからなかった、協力したいと。スクレ出身、大学を卒業して2年。はきはきと明るい女の子。名前はDurvyunという。彼女が教えている別の学校は生徒も少なくて、他の学校と建物も共有していない。校長先生に話すからそこにも来てくれないかと。何より大事なのは現場の、タリハの先生のやる気。私1人が、校長先生1人がつっぱしっても仕方ない。ちょっと自分を振り返って反省もしつつ、心からそう思う。そしてこの日1人の若い先生が自分から行動を起こしてくれた。嬉しい。プレゼン帰りの夕方、ルンルン気分で帰った。

 オーブンの温度は上がったけれど、今度は下ばかりじゅうじゅういって、一向にマッシュドポテトに焦げ目がつかない。ここが黄金色にならないとおいしそうに見えない。奮闘していたら、教会へ行っていたオルガが帰ってきて、ここにいれるのよ、とあけてみせたのが火の下、パットがしまってあった場所。あ~こんなところにいれるのか・・・。

ダイアナ妃の名前が彫られている
 そしてもう1つ、SEDUCAの障害者教育担当の同僚Martinaが耳の聞こえない子供達の学校の校長先生を紹介してくれた。子供が7人、大人が3人、10人だけの本当に小さな学校。創立時イギリスの亡きダイアナ妃が援助をしたらしい。まだ開発中の町はずれにある。敷地は緑があふれてきれい。落ち葉がたくさんの木の下から肥えている土をとってきて植えたというプランターにもバジルやゼラニウムがつやつや光っている。初めて行った日は簡単な自己紹介と大人のクラスで折り紙を少しした。先生の息子や子供の母親も参加。私の言葉を先生が手話で通訳してくれる。校長先生と相談して、次回は子供達と折り紙をして、先日仕上げたばかりの紙芝居を見せることを決める。校長先生はこの他、庭づくりを生徒とやってほしいといっている。この日「すわってください」と「こんにちは」の手話を覚えた。

  ちーちゃんがきってくれた。しばし、待たせる。ごめんなさい。
ようやくきれいな焦げ目がついた。オルガに感謝。なかなかおいしくできたと思う!食後はウユニ塩湖の写真を見せてもらった。私たちのほぼ3週間後にいったのだ。ウユニ塩湖は水がはって鏡のよう。空がうつってさながら雲の上を歩いているような、そんな写真がたくさん。ウユニのまた違う顔。同僚のGermanが言っていた。日本の経済大臣がくると。リチウムの豊富なウユニ塩湖の開発権。あの美しい塩湖を傷つけることなく、きちんと利益をボリビアの人々に還元する形で開発してほしいと心から願う。

折り紙で羽つきハートをつくった。